バレエの振りを覚えられないときは?大人初心者のための見本の受け取り方

バレエの振りを覚えられない初心者へ。順番を受け取る小さなコツ

講師の見本を見ているときは分かったつもりでも、音楽が始まると次の動きが出てこない。大人からバレエを始めた方にとって、珍しくない戸惑いです。

振りの順番は、一度で全部を覚えようとせず、受け取り方を少し変えるだけで追いやすくなります。

見本の見方から、順番が抜けたときの戻り方、質問やメモの残し方まで、レッスンの場面に沿ってまとめました。

目次

振りは一度で覚えなくても大丈夫です

ここでいう「振り」は、レッスンの中で講師が見本として示す、

短い動きの組み合わせのことです。舞台作品の振り付けほど長くはなくても、そこには思った以上に多くの情報が詰まっています。

足の形に加えて、腕の動き、顔の向き、移動する場所、音楽、周りの人との間隔。これらを同時に受け取りながら、順番どおりに動くのがダンスです。

ダンスと脳の働きを扱った研究レビューでも、ダンスには順番の記憶や空間をとらえる働き、注意など、いくつもの働きが関わると整理されています。

一度で全部を覚えようとすれば、情報が多く感じられるのは自然なことです。

最初から見本どおりに再現できなくてもかまいません。まずは、どこから始まり、どちらへ進み、どこで終わるのか。その道筋をつかむところから始めてみてください。

途中で順番が一つ抜けても、残った手がかりを頼りに次の区切りから戻れれば、それで十分な場面もあります。

最初に全体の道筋を見る

講師が組み合わせを見せてくれるとき、足先の細かな動きから追いかけると、後半を見ているうちに前半が抜けてしまいがちです。

最初の一回は、動きの道筋だけに絞って見るのがおすすめです。注目したいのは次の三つです。

  • どこから始まるか(バーの前なのか、フロアの中央から斜めへ進むのか)
  • どちらへ進むか(前へ進む、横へ移る、その場で向きを変える)
  • どこで終わるか(元の位置へ戻るのか、反対側へ移るのか)

終わる場所が分かっていると、途中で迷ったときにも戻る先を見つけやすくなります。

海外ダンス情報サイトの記事でも、フロアを移動する組み合わせでは、一つひとつのステップより先に通り道と方向の変化をつかむ方法が勧められています。

覚える情報を減らすための入口として、取り入れやすい考え方です。

道筋がつかめたら、二回目の見本で足や腕の動きを重ねていきます。見本が一回だけのときは、講師が特に強調した部分を優先しましょう。

その日の進め方に迷ったら、周りの人を目で追い続けるより、講師の案内を待つ方が安全です。

順番を小さなまとまりに分ける

長い組み合わせを一続きのまま覚えようとすると、途中で一つ抜けた瞬間に、その先まで分からなくなりがちです。二つか三つのまとまりに分けておけば、戻れる場所ができます。

区切る場所に決まった正解はありません。方向が変わるところ、同じ動きが繰り返されるところ、音楽の雰囲気が変わるところなど、自分が気づきやすい場所を選ぶのがいちばんです。

たとえば「その場で動く → 横へ進む → 向きを変える」という組み合わせなら、三つに分けられます。ステップの名前を思い出せなくても、「その場」「横へ」「向きを変える」という言葉で道筋は残せます。

始まりの足を確認する

順番の入口があいまいだと、最初の一歩で迷いやすくなります。組み合わせが始まる前に、どちらの足から動くのかを確かめておきましょう。

右・左で覚えるのが難しいときは、講師が使う言い方に置き換えてみてください。

「バーから遠い足」「進む側の足」「前にある足」などです。呼び方は教室や動きによって変わるので、講師の説明に合わせるのが確実です。

最初の足さえ分かれば、足の順番を頭の中で唱え続けなくても、一つ目のまとまりに入りやすくなります。反対側で同じ組み合わせを行うときは、同じ決まりで入るのかをもう一度確かめておくと迷いません。

目印になる動きを一つ選ぶ

組み合わせの中には、自分にとって見分けやすい動きがあります。大きく進むところ、向きが変わるところ、腕が上がるところ。そのうちの一つを目印にします。

目印は難しい技でなくてかまいません。「ここで正面を向く」「ここでバーへ戻る」といった場所も、立派な目印になります。目印の前と後に何があったかを一つずつつないでいくと、長い順番も短く受け取れます。

目印を増やしすぎると、また覚えることが多くなってしまいます。最初は一つに絞り、同じ組み合わせを繰り返すときに次の目印を足していく方法がおすすめです。

音楽の区切りと重ねる

動きの順番と音楽を別々に覚えようとすると、考えることが増えてしまいます。講師がカウントを数えている場合は、その声と動きがどこで重なるかに耳を向けると、区切りが見えてきます。

数え方が分かりにくいときは、最初の音、方向が変わる音、終わりの音の三か所だけでも手がかりになります。カウントの代わりに、声のリズムや短い言葉で動きを示す講師もいます。

数え方は曲や教室の進め方によって異なります。自己流の数え方を急いで作るより、「どの音から始まりますか」と講師に聞いてみるのが近道です。

見本を見る時間と動く時間を分ける

講師の見本を見ながら同じ大きさで動くと、途中で講師が見えなくなったり、周りの人との距離が近くなったりします。

最初は、見る時間と動いて確かめる時間を分けると、落ち着いて受け取れます。

見本を見るときは、観察するポイントを一回につき一つにします。一回目は最初の足、二回目は進む方向、三回目は終わりの形というように、回ごとに焦点を変えていくと、情報を整理しながら受け取れます。

動いて確かめてよい場面では、スペースを広く使わず、小さく動きをなぞる方法があります。ダンスの世界で「マーキング」と呼ばれるやり方です。

マーキングとは、組み合わせを本番と同じ大きさで踊らず、進む方向や腕と脚の流れを小さく示しながら確認することです。回転は手の動きや肩の向きで示し、ジャンプは小さくするなど、周りの人の邪魔にならない大きさで行います。

見本の間は動かないように案内される教室もあるため、マーキングをしてよいかどうかは、事前に講師へ確認しておくと安心です。

回転や大きな移動を自分の判断で試さないことも、周りの人が落ち着いて学ぶための大切な配慮です。

見本の間に動けないときは、目だけで「始まり・目印・終わり」を追うだけでも、次に動くときの助けになります。そのあとに短く確かめる時間があるかどうか、講師に尋ねてみるのも一つの方法です。

順番が抜けたときの戻り方

音楽が始まってから順番が抜けると、前の人を急いで追いかけたくなるものです。しかし、慌てて大きく移動すると周りとの間隔が崩れてしまいます。

迷ったときに意識したいのは、次の三つです。

  • 進む先に人がいないかを見る
  • 講師の合図や声を聞く
  • 安全に続けられる範囲で動きを小さくし、覚えている次の目印を待つ

止まるか、小さく動き続けるか、いったん列から外れるか。どれがよいかはその場の動きや教室の案内によって変わるので、実際のクラスで講師に聞いておくと迷わずにすみます。

分からなくなった場所までさかのぼろうとすると、音楽の流れと逆向きになることがあります。抜けた動きを取り戻すより、次のまとまりから入り直す方が、気持ちも落ち着きやすいでしょう。

質問とメモは小さく絞る

レッスン後に「全部分かりませんでした」と伝えると、講師もどこから説明すればよいか迷ってしまいます。質問は、最初に迷った一か所に絞るのがポイントです。

たとえば次のような聞き方なら、確認したい場面がはっきり伝わります。

  • 「最初はバーから遠い足ですか」
  • 「向きを変えたあとは、どちらへ進みますか」
  • 「最後はどこを向いて終わりますか」

ステップの名前が分からないときは、動きの様子をそのまま言葉にすれば伝わります。

質問しやすいタイミングは、見本の途中、組み合わせの合間、レッスン後など教室によってさまざまなので、特に案内がなければ最初に講師へ聞いておくとスムーズです。

帰宅後のメモは、覚えている組み合わせを一つか二つ書くだけで十分です。最初はバーとセンターの組み合わせを一つか二つずつ書き留めるところから始めるくらいでも構いません。

動きの名前にこだわる必要はなく、始まりの足、進む方向、目印、終わる場所のうち、覚えている情報だけを書き留めます。「横へ進んで正面で終わる」くらいの短い言葉でも、次のレッスンで振り返る材料になります。

メモの目的は、振り付けを正確に記録することより、自分が何を手がかりにできたかを知ることにあります。レッスンの内容は外部へ公開せず、自分の学びのために使ってください。

覚える速さで人と比べない

経験のある人が見本の途中から動き出すと、自分だけ遅れているように感じることがあります。

長く続けている人は、よく使われるつなぎの動きが体に入っていて、新しい振りの中にも見慣れた部分を見つけやすくなっています。同じ速さで覚えられないのは積み重ねてきた経験の差で、向き不向きとは別の話です。

比べるなら、周りの速さではなく、自分が使えた手がかりの数です。前回は最初の足だけだったけれど、今回は終わる向きも分かった。そんなふうに一つ増えたことを覚えておいてください。

覚えることに集中しすぎて緊張してしまう日は、確認する項目を減らしてみましょう。今日は道筋だけを見る、次回は目印を一つ選ぶというように、回を分けて進めても大丈夫です。

レッスンの時間には、振りを覚えること以外にも受け取れるものがたくさんあります。

音楽を聞けたこと、講師の言葉を一つ受け取れたこと、周りを見ながら安全に動けたこと。どれも、その日のレッスンで積み重ねた大切な経験です。

まとめ

振りを覚えられないと感じたら、全部を一度に覚えようとせず、受け取る情報を減らしていくことが近道です。

  • 最初は道筋(始まり・進む方向・終わり)だけを見る
  • 順番を二つか三つのまとまりに分け、目印を一つ選ぶ
  • 順番が抜けたら安全を優先し、次の区切りから入り直す
  • 質問は一か所、メモは一つか二つの組み合わせに絞る

ライフデザインアカデミーのバレエレッスンでも、順番が抜けたことだけで自分を評価せず、講師の案内と周りの安全を確かめながら、一つずつ受け取れる時間を大切にしています。

講師の見本を近くで見ながら、迷ったところをその場で確かめられるのは対面のレッスンならではです。気になる方は、レッスンの雰囲気をのぞいてみてください。

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バレエの振りを覚えられない初心者へ。順番を受け取る小さなコツ

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この記事を書いた人

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